“あなたのストリングスを、夕方の西武球場で聞きたいんだ”
平成が終わる前に、まさか大滝詠一のライブアルバムが発売されるなんて。
1983年7月24日西武ライオンズ球場での「オールナイトニッポンスーパーフェス’83」での
大滝詠一名義で出演した最後のライブを収録。
初回生産限定盤は「NIAGARA CONCERT ’83」と70年代から80年代はじめのライブから、オールディーズのカバー曲だけを収録した「EACH Sings Oldies From NIAGARA CONCERT」のCD2枚と1977年のライブを記録した「THE FIRST NIAGARA TOUR」DVD1枚の3枚組。
大滝詠一作品を1曲でも多く聞きたいファンにとっては、待望のアルバムです。
Contents
響くストリングス
ディスク1「NIAGARA CONCERT`83」
- 夢で逢えたら (Niagara Fall of Sound Orchestral)
- Summer Breeze (Niagara Fall of Sound Orchestral)
- Water Color (Niagara Fall of Sound Orchestral)
- 青空のように (Niagara Fall of Sound Orchestral)
- カナリア諸島にて (Niagara Fall of Sound Orchestral)
- オリーブの午后
- ハートじかけのオレンジ
- 白い港
- 雨のウエンズデイ
- 探偵物語
- すこしだけやさしく
- 夏のリビエラ
- 恋するカレン
- FUN×4
- Cider ’83~
- 君は天然色
- 夢で逢えたら、もう一度 (Niagara Fall of Sound Orchestral)
1枚目は、35年前に西武球場で行われたコンサートを完全収録。
“あなたのストリングスを、夕方の西武球場で聞きたいんだ”と大滝詠一を亀淵昭信氏
(当時のニッポン放送の編成局長と制作部のトップ)がくどいたんだとか。
どんなすばらしい空間になるか、絵がうかびます。人前でのパフォーマンスに乗り気じゃなかった大滝詠一を動かしたコトバ。
「夢で逢えたら」から「カナリア諸島にて」までの5曲が、クラシックの名門である新日本フィルのストリングス。大滝詠一の登場まで、美しい調べが流れるぜいたくな時間。
薬師丸ひろ子に提供したシングルのAB面の「探偵物語」「すこしだけやさしく」彼女の鈴をころがした歌声(たとえにならないそのままの響き)にも負けてません。ベルベットよりシルクの感触。
「夏のリビエラ」冬のリビエラ英語バージョン。どこまでもやわらかな声と発音。「冬のリビエラ」と聞きくらべるのも楽しい。
「恋するカレン」失恋ソングで男女とも残念なのに、大滝詠一の歌だとステキに聞こえてしまいます。
「FUN×4」はじめから終わりまで、ポップスセンスがきらめく曲。「A面で恋をして」「幸せな結末」と合わせてマイ大滝詠一ベスト3。
「Cider ’83~」から「君は総天然色」で、ラスト「夢で逢えたら、もう一度」のストリングスで結ばれる完ぺきな流れ。あらためて世界でいちばんやさしい歌声だと思いました。
とろけるオールディーズ
ディスク2「EACH Sings Oldies From NIAGARA CONCERT」
- Confidential
- Blue Velvet
- Secretly
- I Love How You Love Me
- Fools Rush In
- Sheila~シャックリママさん~Love’s Made A Fool Of You
- Mr Blue
- Dreamy Eyes
- Come Softly To Me
- Who Put The Bomp
- His Latest Flame
- Train Of Love~Summer Lotion
- Dream Lover~Travelin’ Man
- Blue Suede Shoes
- Yesterday
2枚目は、オールディーズのカバーをまとめたもの。主に1981年と1980年。
70年代のものもあり、1966年岩手の予餞会で歌われた『Yesterday』は必聴。
若くてもそれほど後の作品と落差は感じません。高校生の頃から円熟味のある歌声。力みがないところは、フレッド・アステアにも通じるものがあります。
歌う大滝詠一が見たい
ディスク3 「THE FIRST NIAGARA TOUR」
- ナイアガラ・ムーンがまた輝けば
- FUSSA STRUT
- The Very Thought Of You
- 夢で逢えたら
- COBRA TWIST
- こいの滝渡り
- ナイアガラ音頭
青空のように
3枚目はDVD。1977年渋谷公会堂「THE FIRST NIAGARA TOUR」を記録した映像作品(監督 井出情児)
最初顔が白い丸のようで、どうなることかとあせりましたが、しっかり大滝詠一が歌ってます!感激。動く大滝詠一は、これが初めて。
『夢で逢えたら』夢見る気分になれる名曲。シリア・ポールのプロムの女の子みたいな衣装もキュート。
大滝詠一作品というだけでありがたいのに、ライブ3連発。聞かなきゃソン。
NIAGARA CONCERT ’83(初回生産限定盤)(DVD付)(特典なし)