2020年東京オリンピックに向けて、これ以上ないタイミングではじまった「いだてん~東京オリムピック噺~」
クドカン作品は、視聴率に恵まれないけれど、今回こそは!
映画は趣味全開でも、大河ドラマのしばりが、ほどよく作用して大ヒット。
何年か後に再びクドカンで大河ドラマ。こんどは時代劇で、なんて夢はひろがります。
「あまちゃん」ものん(能年玲奈)の魅力と朝ドラしばりが、ヒットの原因では?
「おやすみ日本」で宮藤官九郎と又吉直樹で、眠いいねやってますます自由に行けそうで、気になります。
そう思って見た初回は、別のしばりが入ってました。ビートたけし効きすぎ。
忖度ジャパン
W志ん生はいらない
時間、場所、人が、あちこちに飛んでもいいんです。(よくはないけど、おもしろければ)
ただW志ん生は、要りますか?
若き日の森山未來と円熟期のビートたけし、両方出すと混乱する人もいるはず。
主人公にまっすぐ好意むける春野スヤ(綾瀬はるか)のムダ使いになるんじゃ。
森山未來はテレ東「このマンガがすごい!」で「うしおととら」の妖怪とらを引きずってるような長髪。
何者かになりたくて、ギラギラしてるエネルギー感じさせます。
ビートたけしと森山未來が過去と未来。つながらなすぎて、見るたび引っかかります。
橘屋円喬(松尾スズキ)の気むずかしい落語家ぶりが、ハマっているのでなおさら。
声優ファンには苦行
監督としての北野武は好きでも、役者として聞きにくい声は問題あります。
芸能界では大物でも、視聴者には関係ありません。
みんなが、たけし軍団にならなくてもいいはず。
ナビゲート役なのにナビにならずに、物語の流れをせき止めてます。
出すからには見せ場!となって、嘉納治五郎先生より丁重なあつかい。
たけしの声が、声優ファンにはきしんだ音に聞こえるのも残念ポイント。
松村邦洋のものまねの方が、自信満々じゃない分よさそうな。
志ん生は、古今亭志ん生全集持ってるくらい好きです。
ふわっとした声の調子は、聞きあきません。
作家の宮本輝は、志ん生を就寝前に聞くとラジオで言ってましたね。
でも志ん生の枯淡の境地を演じるには、ビートたけしはまだまだ脂っこいのです。
とつけむにゃあ視聴率への道
兄弟のきずな
そんなこんなで初回ブレーキかかったものの録画分を消化。
志ん生トラップぬけて、ようやくリアタイで見ました。
とつけむにゃあ(とんでもない)おもしろさ!
主役の金栗四三(中村勘九郎)ほんとうに昔の人に見えます。
赤茶の顔で毎回水浴びして「ひゃーひゃー」言うのにも慣れてきました。
兄実次(中村獅童)も主人公に、拝啓おふくろ様よろしく拝啓兄上様とやってほしい兄さんぶり。
年のはなれた兄として父のように案じてるから、四三がいい子に育ったんですね。
実直さとあたたかみが兄弟で似ているところまで、自然な演技。
小技さがして
いつものクドカンの小技は、四三の親友である美川秀信(勝地涼)担当?
世界記録立てても、いつもの主人公の純朴さにやられてましたね。
後輩の野口源三郎(永山絢斗)も「はじめて恋をした日に読む話」と、どちらが初々しいか楽しみ。
永井道明(杉本哲太)と可児徳(古舘寛治)は、かわいげ相乗効果。
竹野内豊は、日本選手団監督の大森兵蔵を演じています。
偏屈な数学講師が、朗読教室で人生を変えていく「この声をきみに」から注目。
大恋愛したアメリカ人の妻とこの先どうなるのか気になります。
嘉納治五郎(役所広司)も、人間くさい大人物で画面にいると安心感ありますね。
初めて尽くし
イケメン枠の三島弥彦(生田斗真)は、筋肉のつきかたも肌もきれいです。
負けを知らなかった三島が、ストックホルムで初めて味わったコンプレックス。
たった2人の選手団と体調すぐれない監督と妻。白夜と孤独。
はなやかな舞台の裏で、背のびして使わなければならないトイレ。
田舎から都会にでてきた四三とは、経験値がちがいます。
オリンピック本番でどう変わっていくか見もの。
このドラマで、初めて字幕を入にして見ました。
カメラマンに申しわけないくらい画面に大きく字が出ます。
聞きとれずに戻すより、ドラマ見やすくなるのでオススメ。