学校教育が太陽だとしたら、塾はその光を十分吸収できない子どもたちを照らす月。
昭和から平成を背景に、天才講師(高橋一生)とカリスマ経営者(永作博美)の出会いから生まれる塾と家族の物語。
『僕たちは奇跡でできている』で印象的だった高橋一生。
大学講師から塾講師へ。教える演技ならなんでもOK。
永作博美の昭和レトロなファッションも愛らしく。
高橋一生のシャツをめくりあげた腕に下駄ばき姿。
ガリ版のインクや大きなポストと、懐かしいもの色々。
吹雪ジュンは、あいかわらずおいしい役どころ。
割烹着姿でほほえむ表情たのもしく。
工藤阿須加の新しい顔
すごい祖父母に引け目をかんじて迷う上田一郎(工藤阿須加)
オープニングの面接シーン、とまどう姿がリアルで切なくなります。
日本テレビ『ZIP』水曜メインパーソナリティ。
「MOCO’Sキッチン」では、速水もこみちに負けずにキラキラ。
父はプロ野球監督の工藤公康(29年現役をつとめた鉄人)
工藤阿須加と父の若き日の写真が、よく似ています。
瞳に秘めるのは、父ゆずりのガッツ?(本作では封印)
自分がなにものか自信をもてない一郎が、どう変わっていくか見もの。
昭和レトロにキュン
永作博美が肉食女子?
永作博美は、家庭教師で生計をたてるシングルマザーの大島(赤坂)千明役。
昭和レトロなファッションは、オードリー・ヘップバーンのよう。
ブラウスに細いウエストから広がるサーキュラースカート。
髪にカチューシャ。
勝負服は、紺の五分袖ワンピースに白いレースのつけえり。
日傘に白い編み手袋と装備は万全。
エレガントなスタイルも、童顔で抜け感。
ステキなタイミング
銭湯がえりの吾郎が、坂本九の『すてきなタイミング』をくちずさみながら帰宅。
すると千明が部屋の前で、お菓子をもって待ちうけています。
たじろぐ湯あがり美男を、ロックオン。
瞳の法則
小学校の用務員としてはたらく吾郎のまわりにあつまる子どもたち。
勉強ができなかった子が100点をとったのはなぜか。
探ろうとする千明に「瞳に集中力はあらわれる」という吾郎。
- 瞳をキョロキョロさせているうちは、集中できない
- 勉強の前に、神経をしずめ視線を1点に集中させる
- 好奇心いっぱいの男の子にはすもうをとって集中させる
- 1回集中させるコツをおぼえれば、あとは待つだけ
千明は吾郎のことばに感動して、意気投合します。
帰り道「こんな(に語りあって楽しい)夜は初めて」と千明。
「ぼくも女の人と夜おそくまでいて、なにもないのは初めて」と吾郎。
はれやかな表情の吾郎と怒りだす千明を、見まもるような柔らかい闇。
ごほうびは高橋一生
響きのいい声
思いきった手段で、吾郎を追いつめる千明。
2人でみかづきを見ながら、こんどは千明が「学校が太陽、塾が月」と語りだします。
恋の醍醐味は、おたがいの気もちの答えあわせをする時。
「僕にはなにもない。なにもない僕があなたの力になるだろうか」と吾郎。
「大丈夫。あなたは私のもってないものを、もっているから惚れたの」と返す千明。
「そういうことか!」とようやく千明の気もちに気づく吾郎(遅い)
静かなセリフもはっきりとよく響く声。
頭ポンポンから手つなぎ
高橋一生の「よしよし」頭ポンポンはごほうびですか?
ごちそうさま♪
でも、それよか気もち通じあった二人の手をつなぐシーンに注目。
頭ポンポンされた千明もまた、吾郎の頭にぐっと手をのばしてポンポン。
すると吾郎は、千明の手をいったん頭からはずして、またその手を包むようにぎります。
吾郎は手をつないだまま後ろにもたれるのですが、千明を引きよせません。
タイルばりの水屋(台所よりこっち)は薄暗く、二人の表情もよく見えないけれど。
少しあいた距離をうめるように、自分から身をよせる千明。
吾郎と千明のちがいが、ていねいに描かれていました。
来るもの拒まずだった吾郎、次回の壇蜜登場で一波乱ありそうですね。
高橋一生のお父さん役も楽しみ。