今までは背後をおそれる必要がなかった。おまえがいたからな。
『マスケティアーズ パリの四銃士』は、アレクサンドル・デュマ「三銃士」のキャラクターを、元につくられたイギリスBBCのテレビドラマ。17世紀フランス国王直属の銃士隊の物語です。
NHKでS2まで放送され、S3はBS日テレで日本初放送となりました。ちがう局が放送することもあるんですね。悪役も圧倒的なキャラ立ちのシリーズ、どんな展開が待っているのでしょうか。
S2ラストでは、ひとり修道士の道をえらんだアラミス。意外と面倒見がよく、修道院の子どもたちの世話も板についています、のこりの三人、アトス、ポルトス、ダルタニアンは、あい変わらず敵と向かいあう日々。
アラミスは、モテモテの色男設定ですが、ダルタニアンの美男ぶりはダントツ。歴史ものはふだん見ないという人でも、彼のイケメンぶりは一見の価値あり。
男の友情がアツイ
マスケティアーズは、あこがれられる存在でも、その日常は地味。砂ぼこりに馬と、男くささ全開。おさえた色調の画面から、友情の熱さが伝わります。
アラミスのいる修道院が悪者におそわれ、アトスたち3人は運命にみちびかれ合流。大男で不愛想なポルトスは、アラミスと逃がれたあとに「楽しくなかったとは言わせん」とうなるように一言。
S1ではひよっこ扱いだったダルタニアンも落ちついて「必要な馬は3頭?それとも4頭?」それをうけて無言で満足そうな表情をうかべるポルトスとリーダー格のアトス。前よりアトスのシブさ増量。
「アラミス 君は多才だが修道士には向いていない」とアトスが言えば「神を敵に回すな」と返すアラミス。一見無骨なアトスも、教養ある貴族の出でしたね。機知に富んだやりとりも魅力。
甲冑がイケてる理由
ひとりひとり甲冑のデザインが、まったく違うのも見どころ。これでもかというほどの機能美が、それぞれの個性になってます。
こんなにひかえめなのに、こんなに凝ってる!と甲冑解説コーナー希望。衣装としては、ここまでの作りこみは要らないはず。でも、その情熱が歴史ドラマの説得力になっています。マスケティアーズの働きは、すばらしい甲冑あってこそ。
修道士の服、修道院の子どもたちの服や帽子、悪役の黒いフード、王妃や貴婦人のドレス。ボタンやヒモ装飾ひとつひとつに、服の歴史感じます。
銃士隊の隊長トレヴィルは、青い瞳によく映える青い服。実直な彼に華美なデザイン。正装として煌びやかなのか、新しい上役の意向?などと想像する楽しみもあり。
ラスボスはルパート・エヴェレット
マスケティアーズの音楽はいつ聞いてもカッコイイな~と見ていたら、パリ総督フェロン監督は、ルパート・エヴェレットでした。映画「アナザー・カントリー」で一世を風靡した美青年。あの線のほそい彼が、重厚な悪役として登場しています。
さっそく彼女に会いに行ったダルタニアン以外の3人を、トレヴィルが紹介すると「実物はパッとしないな」ダルタニアンがいれば、もっと華やかなんですがね。
キレイキレイな印象の頃より、俳優としては味がありますね。(映画「ミスペレグリンと奇妙なこどもたち」の鳥類学者も演じていたのに、全然気づきませんでした。)
手下のグリモーもクールで整っています。彼は裏切る以前に従うつもりもなさそう。ラスボスでも、憎々しさより悲哀多め?ダルタニアンとの対面に期待。