あなたが今までに見たなかで、いちばんシュールな光景は何ですか?
モンスター映画は数あれど、本作ほど監督の「見せたいから作る!」が伝わる作品はありません。
- シュールな絵面にときめく人
- キモカワイイもの好きな人
- 不思議ないきもの好きな人
- トンデモ映画が好きな人
見どころ
魚人間になってしまった青年の物語。見どころは、ずばりフィッシュマンのビジュアル。
人魚と逆で、あたまが魚でカラダは人間。出しおしみせず、すぐさま彼のインタビュー映像からはじまる太っ腹ぶり。
モンスター映画にあるまじき出オチに、どう決着つけるのでしょうか。なんだこりゃなヴィジュアルなのに、なぜか見あきません。
ちょっと怖くてちょっとおとぼけ。話すときクチが動くんですが、わずかにパクパクするだけ。
まんまるおめめも、ちょっぴり動くだけなので見のがし注意。フナに似てますが、リアルさの無駄づかい(ほめてます)
声で演じるイ・グァンス
シーン泥棒
主人公のフィッシュマンは、身長190以上あるイ・グァンス。
ドラマ『大丈夫だ、愛だ』では助演でありながら、シーンをものにするシーン泥棒といわれるほどの存在感。
『花郎』でも主人公の親友を熱演。どの作品でも大きなカラダで、ふにゃっとうかべる笑顔が印象的でした。
繊細さに注目
本作では声だけでフィッシュマンのやさしさ哀しさを演じています。
魚の顔でポツリポツリと語られる彼のコトバ。人の顔が見えないぶん、次のセリフが気になります。
米国ドラマ『ARROW/アロー』や『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』みたいなフードつきパーカがわびしく見えます。
人間だった頃と同じように不器用に立ちつくす彼。応援せずにはいられません。
ヒロイン パク・ボヨン
力の強い女ト・ボンスン
小柄でキュートなパク・ボヨン。ドラマ『力の強い女ト・ボンスン』では恋する乙女。話しかたまでかわいくて、音楽のようにセリフがひびきます。
韓国では高身長が美人の条件と聞きますが、小柄なスタイルでの活躍は演技力のたまものでしょう。
顔は松田聖子と浅田真央似?演技がうまい男性陣にかこまれても、攻めてる印象。本作ではフィッシュマンのガールフレンド(?)
キツい彼女も見のがせない
彼にも彼の父にもキツいコトバを投げかける役。ちょいタレ目が愛らしいので、ふきげん顔もキュートですが。
彼女を好きな彼に「好きじゃない」というのに、フィッシュマンの顔が乾かないよう、霧ふきでプシュッ。
けっして善人じゃないけれど、彼を案じている。そのさじ加減が絶妙。
大きなフィッシュマンが、小さな彼女のコトバできずつくのが切ないです。
まとめ
ツボをおさえた展開で、1時間32分飽きさせません。
奇抜なアイデアを手がたくまとめるのは、監督脚本のクァン・オグァン。
不思議を見たかったら、ぜひ。
2015年 韓国